紀宝町には14の地区があります。地域おこし協力隊の三浦と守部がそれぞれの特徴を50音順でご紹介します。
浅里 (あさり/ASARI)
三浦 ) 「にほんの里100選」にも選ばれている、山、滝、川が揃った地区です。飛雪米というお米の生産地であり、住んでいる場所は別の地域ではあるものの、農業の休憩所や倉庫として今も実家を利用している方も多いです。紀宝町を代表する観光スポット、飛雪の滝キャンプ場には、全国・世界からアウトドア好きな方が訪れています。鵜殿から車で約 25 分(13.4km)。
守部 ) 町内の一番西に位置する地区。県道740号線をひたすら西へ進むと、突如里山の集落が現れます。この集落は「にほんの里100選」にも選ばれており、日本の原風景を眺めながら散歩やサイクリングを楽しめます。最近知名度が上がってきているアクティビティスポット「飛雪の滝キャンプ場」では、ダイナミックな滝を目の前に、SUPやバーベキュー、アマゴ釣り体験ができます。キャンプ場のコテージに宿泊した翌朝、飛雪の滝に虹がかかった瞬間は今でも忘れられません。
井田(いだ/IDA)
三浦 ) 七里御浜沿いの地区です。JR紀勢本線は1駅停車する他、国道42号が開通、保育所と小学校もあります。町内間での引っ越しに、井田を選ぶ子育て世帯が多い印象です。道の駅ウミガメ公園前の井田海岸にて、毎年、夏の夜に開催されるウミガメパトロールにも参加しやすい地区かもしれません。海抜の高いエリアから眺めるみかんやマイヤーレモン畑と七里御浜のロケーションは、絶景です。
守部 ) 日本一長い砂礫海岸、七里御浜(しちりみはま)から西に広がる斜面にミカン畑が広がる地区。高台からは穏やかな七里御浜が望めます。空と海のあお、ミカンのみどり、オレンジに囲まれてほっと一息できる自分だけのお気に入りの場所が見つかるかも。また七里御浜へは、ウミガメが産卵にやってきます。そんなウミガメたちと道の駅紀宝町ウミガメ公園で触れ合うことができます。このたびウミガメの赤ちゃんが生まれて話題になりました!
井内(いない/INAI)
三浦 ) 相野川の下流に広がる、田園景色が綺麗な地区です。小学校周辺に、住宅地が集落のようなかたちで広がっています。大手の製造・組み立て会社や、町のリサイクルセンターがある他、子育て世代に嬉しい、保育所、小学校、そして診療所もあり、ミニマムにまとまった地区です。鵜殿まで車で約15分。
守部 ) 町内の中でも面積が小さい地区ですが、保育所、小学校、リサイクルセンター、診療所と主要施設がコンパクトにまとまっています。南の大里地区には中学校があるので、町内でも子育てをしやすい地区ではないでしょうか。ランチは「kokoro食堂」でアマゴを使ったバリエーション豊富な定食が楽しめます。アマゴの身は、鮮やかなオレンジ色だと定食をいただいて初めて知りました。
鵜殿(うどの/UDONO)
三浦 ) 町内で一番、さまざまな機関が揃った地区かもしれません。役場、警察署、小学校、郵便局、ガソリンスタンド、スーパーマーケット、コンビニ、飲食店など。製紙工場は24時間365日稼働しているので、工場地帯ファンにはたまらないスポットです。新宮方面へ向かうアクセスも不便がなく、交通量が多い地区でもあります。
守部 ) 町の中枢、住宅街、港町、工業地帯と4つの表情を見せる地区。役場などの町の主要機関はここ鵜殿にあります。沿岸にある製紙工場の煙突は、紀宝町のシンボルと言っても良いかもしれません。鵜殿港では、月に1度のマルシェ、夏は花火、秋にはみなとフェスティバルという年に1度の遠方からもお客さんがやってくる大きなお祭りが開催されます。町内でも一番発展していて賑やかな地区ですが、新しい施設や住宅が建つなど、これからまだまだ盛り上がる地区になりそうです。
大里(おおざと/OZATO)
三浦 ) 集落がいくつかあり、同じ大里でも景色が違う地区です。山間部付近の集落は、農業をする上で好条件の環境上、農家さんに人気のエリアです。紀宝町のメインリバー、相野谷川(おのだにがわ)沿いの集落は、道路がしっかり舗装されているので、車も走りやすく、田園風景を見ながらウォーキングやワンちゃんの散歩をする方にもおすすめです。熊野・和歌山多方面への分岐点には、セルフガソリンスタンドが営業されています。鵜殿まで車で約15分(9.9km)。
守部 ) 町内を南北に流れる相野谷川(おのだにがわ)両岸の斜面に住宅が広がり、斜面を登って眼下に広がる田園風景を眺めていたら、思わず時間を忘れてしまいます。大里親水公園の自然プールで夏は日が暮れるまで水遊び。水遊びに慣れたら、体ひとつで渓流を下る「キャニオニング」に挑戦してみてはいかがでしょうか。休憩、ランチは「古民家カフェ ひふみ」で店主こだわりの日替わり定食とスイーツ、パンを堪能!
北檜杖(きたひづえ/KITAHIDUE)
三浦 ) 世界遺産の熊野川を毎日見られる地区は何箇所かありますが、家の窓から川の様子まで見ることができるのは北檜杖地区ならでは。観光遊覧川舟「三反帆」の発着地でもあり、国内外から伝統を体感しに観光客が訪れる地区です。県道沿いを中心に家が建ち、町民バスはバス停に限らず声掛けで停まってくださるエリアです。鵜殿から車で約15分(7.5km)。
守部 ) 熊野川に沿う集落が続く地区。向かう方面によって、左右どちらかに熊野川、集落の風景が広がります。町を代表するアクティビティ「三反帆」は、ここ北檜杖から乗船できます。時間を忘れて、熊野川を漂ってみてはいかがでしょうか。どの地区よりも熊野川と密接に関わっていると感じるからか、この地区を歩いていると、川の方から「ゴーッ」と力強い音が聞こえてくるのは私だけでしょうか・・・。
桐原(きりばら/KIRIBARA)
三浦 ) 地図上では大きな面積の地区ですが、集落は相野谷川と入谷川沿いにギュッと集中しています。鵜殿から車で約 22 分(14.5km)、相野谷トンネルを潜るだけで温度が3°C違うと言われています。区民さんからは夏は涼しく、夜は暖かいという声も頂いています。川の透明度が高く、山水を引いて利用している家屋もあります。週末のみ営業しているカフェのテイクアウト弁当を求めて、町内各所からファンが訪れます。
守部 ) 町内の一番北に位置する地区。阪松原地区の斜面を横切って、トンネルを抜けると住宅が広がっています。町内を南北に流れる相野谷川の上流にあたり、水の透明度が他の地区とは別格。透明を通り越して水色に見えるところもあります。夏、そんな川で遊んでいる子ども達が羨ましかったです。冬にも訪れたら、空気が澄んでいるからか、さらに透明度が増している気がしました。
神内(こうのうち/KONOUCHI)
三浦 ) 住宅団地から徒歩圏内で小学校や図書館、子育て支援センターがある地区です。地区の中心は、神内川が流れていて、川を囲うように田んぼが広がっています。川の上流に大岩を祀った神内神社は、紀宝町の神社仏閣の中でも人気のスポットです。他にも、自然や人の伝承が数多くある地区ということもあってか、昔から芸術肌の方が集まる傾向にあるそうです。行事の集まりに一人での参加は不安な方でも、地元の方々は大歓迎してくださいます。
守部 ) 田園風景が地区の真ん中に広がる地区。この田園風景を眺めていると、いつも時間がゆっくりと流れます。地区の一番奥には、安産祈願で有名な「神内神社」が鎮座しています。天気の良い日に訪れると、木々の隙間から降り注ぐ日光に鳥居と境内が照らされて、厳かな雰囲気を醸し出しています。本殿には安産を願ったたくさんのよだれかけがかけられており、出産の無事と、生まれてくる赤ちゃんの健やかな成長を願う両親の気持ちにこちらの心まで穏やかになります。
阪松原(さかまつばら/SAKAMATSUBARA)
三浦 ) 平尾井地区と桐原地区の間に位置する、山間部集落です。道は、ほぼ坂です。高地からは相野川が流れる地区を一望することができます。畑付きの家屋が多いのも特徴で、家庭菜園を始めやすいかもしれません。
守部 ) だんだん北へと登る斜面に住宅が広がる地区。斜面を登り切って振り向くと、2つ先の地区まで見渡せます。車通りも少なく、お会いしたおばあちゃん曰く「本当に静か」。阪松原神社の鳥居のすぐ後ろと本殿の前にまっすぐそびえ立つ2本の木が印象的でした。地区を歩いていて、大根とチシャ菜をいただいたのですが、どちらも本当に立派で美味しい!南北に広がる日当たりの良い斜面で育ったからでしょうか。
瀬原(せばら/SEBARA)
三浦 ) 紀宝町の中で一番面積が小さく、熊野川沿いに浅里地区と並んで位置します。このエリアには現在、家屋が数えられるほどあるのみ、あとは公民館しかありません。隣家との間は、田畑を中心に仕切られています。県道小船紀宝線のほぼ一直線の道は、杉・ヒノキ等の針葉樹や落葉樹・広葉樹など様々な樹木に囲まれています。鮒田水門まで車で約10分、浅里の飛雪の滝までの走行時間も、同じく約10分。
守部 ) 町内14地区の中で一番面積が小さい地区。熊野川沿いの地区で、浅里地区と北檜杖地区のあいだに位置しています。正直なところ、この地区の両端は地図を参考にしないと分かりませんでした。一番小さな地区なので、住宅も少なくとても静か。もし住みたいとなったら、住まいはすぐには見つからないかもしれませんが、もし巡りあえたらとってもラッキーかもしれません!
高岡(たかおか/TAKAOKA)
三浦 ) 雨量の多い紀宝町に起こる相野谷川による水害を受けやすい地区かもしれません。降水量の多い日は、車道の一部が浸水することもあります。山と川に挟まれた集落が点々とあり、相野谷川に沿うように田んぼが広がっています、丘の上に建ち並ぶ家は、平屋が目立ちます。視界を遮るものがないからか、歩いていると空を近くに感じるのも高岡の特徴かもしれません。
守部 ) 相野谷川の両岸に集落と田畑が広がる地区。どこにも高い場所がないのに、どうして高岡という地名なんだろうと思っていたら、地区の方が「水害対策で土地を高く上げているから高岡なんだよ」と仰っていました。紀宝町に興味のある方なら誰でも利用できる、お試し住宅はここ高岡にあります。ということは、移住検討者からすると、高岡は「ザ・紀宝町」な場所。利用した時に、近くを流れる小さな川の透明度に驚きました。広がる田畑と集落のどこにでもある風景かもしれないけれど、紀宝町ならではの特徴を見つけられるはずです。
成川(なるかわ/NARUKAWA)
三浦 ) 新宮へのアクセスが良く、町内で一番、車は勿論、自転車が走行している地区かもしれません。また、区内はJR紀勢本線の運行経路地、線路沿いに住宅地が並んでいます。階段が多いのも特徴のひとつで、段々畑の名残りといわれています。古くは、熊野川から運ばれてくる材木を一望できたそうで、今は毎年恒例の新宮花火大会を見ようと多くの人が訪れるエリアとなっています。
守部 ) 熊野川を望む斜面に住宅が広がる地区。赤と緑の組み合わせが特徴的な熊野大橋を渡ると、和歌山県新宮市に入ります。この地区から見る熊野川の色がいつも違うのが面白い。流れが穏やかな時は深い水色、雨のあとは濁った茶色・・・。雨が多い町なので、川の色が深い水色の時は、あまり見られないので思わず写真を撮ってしまいます。天気の良い日は、太陽の光が反射して水面が眩しいくらいキラキラしています。
平尾井(ひらおい/HIRAOI)
三浦 ) 集落が東西に分かれている地区です。メインストリート(県道紀宝川瀬線)は、緩い坂になっていて、田んぼが両脇から挟んでいる地形です。奥に行くほど、坂の傾斜があり、東側を登った先には紀宝町文化財となっている平尾井薬師があります。田畑を所有している方のなかには、田畑管理を担ってほしいという声もある地区です。
守部 ) 田園風景の東西に住宅が広がる地区。東を向いて住宅のあいだを縫うように走ると、町内でも有名なパワースポット「平尾井薬師」に辿り着きます。石段を登り切ると、後ろの巨岩が特徴的な御堂があります。朝早くに行ったら、御堂までの石段の木々の隙間から眩しい朝日が降り注いでいて、もうすでにパワーを受け取った気分になりました。首から上の病に功徳があるそうなので、これ以上視力が悪くならないようにお願いをしました。
鮒田(ふなだ/FUNADA)
三浦 ) 相野谷川と熊野川の合流地点に位置する地区です。道案内の目印とする箇所として、鮒田水門、牛鼻神社、御船浄水場、大通寺、通園めだか、弁慶橋などがあげられます。土石業者さんの流通ルートとしてトラック走行頻度が多いことに並行して譲り合い運転が光っている地区です。定期的に、防災とコミュニケーションを兼ねた「生活防災」が実施されていることも特徴のひとつです。相野谷川沿いの農地は、区民の定番散歩コースです。
守部 ) 平成23年の紀伊半島大水害での浸水被害をきっかけに、町内でも防災意識が特に強く、住民同士の繋がりが強固な地区。とある仕組みで地区内の出来事をすぐに知ることができます。北から流れてくる相野谷川と熊野川の合流地点でもあり、鮒田水門が地区のシンボルになっています。また、合気道の紀州熊野合気会の本部があり、地区内の道場で日々稽古が行われています。