紀伊半島の自然を相手にしながら”期間限定の暮らし”を楽しむ

今回は、町内でキャニオニングのガイドをされているファーガスさん・七菜さんご夫妻にお話を伺いました。


ーこちらに来られる前はどんなお仕事をされていましたか?

七菜さん) ファーガスさん) 北海道のニセコで、スノーボードのインストラクターをしていました。夏は群馬県や東京の奥多摩で働いていました。当時はいろんな仕事を紹介してもらって、スイカ工場で働いたり、農家さんのお手伝いもしていました。

ー紀宝町に来られた経緯を教えてください。

七菜さん) 現在私たちは、 株式会社キャニオンズ(以下:キャニオンズ)の一員で、キャニオンズ紀宝店のスタッフとしてこの町にやってきました。キャニオンズは、夏はキャニオニング、冬はスキーのガイドと仕事が変わる会社なんです。紀宝町の事務所は、キャニオニングの拠点として開設されました。私たちはだいたい4月から10月の間、キャニオニングのガイドをするため紀宝町で暮らしています。冬は群馬県でスノーボードのインストラクターをしています。

ーキャニオニングって何ですか…?

ファーガスさん) 簡単にいうと、「渓谷を下るスポーツ」です。フランスが発祥で、ケイビングから始まったと思われます。

キャニオニングの一コマ

ーどうして紀宝町にキャニオニングの拠点ができたのでしょうか?

七菜さん) 紀伊半島を気に入っているニュージーランド人の社長が、20年近くこのあたりでキャニオニングの拠点を探していたんです。いい渓谷はあるけど、お客さんを迎える場所がない。そうしているうちにこの大里親水公園を見つけて、お客さんが過ごせそうな建物はすでにあるし、渓谷にも行きやすいしでここに決めたそうです。

ファーガスさん) 紀宝町の渓谷は初心者向きで、天然の滑り台もあるしめちゃめちゃ楽しいですよ!拠点開設の際は、役場のサポートも手厚く、その点も決め手になりました。

ー社長はなぜ紀伊半島がお気に入りなんですか?

ファーガスさん) 紀伊半島にはキャニオニングのスポットになる渓谷が多いんです。紀宝町に拠点を作る前から、紀伊半島で現地集合のキャニオニングのツアーをやっていて、リピーターもたくさんいました。今でもキャニオニングができそうな渓谷を探しているんですよ。

ーここから紀宝町での生活について伺いたいのですが、来られてから驚いたことはありますか?

七菜さん) 人と人との距離が近いことですね。困ったときはすぐに助けてくれます。あと湿気が多いですね…。

ー紀宝町でお気に入りの場所はありますか?

七菜さん) キャニオンズの拠点があるこの大里親水公園がめちゃくちゃお気に入りです。泳ぎに来る子どもたちと仲良くなれるし、子どもたちも懐いてくれて可愛いです。夜はプロジェクターを立てて、音を気にせずに映画鑑賞をしています。

ー過ごしていて、困ったことはありますか?

ファーガスさん) 雨が多いことですね。しかも降るときはザーッと降ります。キャニオニングのツアーも、雨だとこちらからお断りせざるを得ないんです。

ー住まいはどうやって見つけましたか?

七菜さん) 人づてで見つけました。このあたりの方々とバーベキューをしていた時に、家を探していることを話すと、そのとき初対面だったのですが、隣の家が空いているとの話になり…(笑)。見に行かせてもらうと立派な古民家で、残っている荷物はこちらで片付けるから住みたいですとお願いしました。そこからトントン拍子に入居に向かって進んでいきました。

ー仕事以外の時間は何をされていますか?

七菜さん) キャニオニングのツアーがないときは、事務所の隣のキッチンカーでドリンクなどを販売しています。休みの日は、川で泳いだり、自宅の庭でバーベキューをしています。実家にも帰りますね。

ファーガスさん) ツアーがないときはコースの整備をしています。休みの日は、友達や近所の方を呼んで外で映画を観ます。冬は紀宝町にいないので、いつか冬の星空の下でも映画鑑賞をしたいです。

ー地域の活動に参加はされますか?

七菜さん) 和太鼓のチームに見学に行って、本格的に始めようと思っていたんですが、冬にこちらにいないことがネックで断念しました…。

ファーガスさん) このあいだ、中学生の男の子に誘ってもらって、卓球をしました!月に3回、中学校の体育館で活動している卓球部があって、町内外の子どもから大人まで幅広い年代の人が参加しています。めっちゃ楽しい!自分から積極的に声をかける性格なので、こっちの友達の年齢が幅広いです。12歳から70歳ぐらいまでの友達がいます。

ー紀宝町で過ごしていて、いいなと思うところを教えてください。

ファーガスさん) 海、山、川があるところですね。あと歴史がある熊野古道があるところも良いと思います。

七菜さん) お金をあまり使わない生活ができるところですね。今住んでいる地区は街中から少し離れていて、スーパーやコンビニが遠いのでわざわざ行こうとならないんです。欲しいものを知り合いから譲っていただけることもあります。お野菜もですが、ソファー、扇風機は3台もらいました(笑)。キッチンカーが欲しいなと思っていたら、まさかの区長さんが持っていて、今お借りしています。

ー今後、紀宝町で実現させたいことを教えてください。

七菜さん)  子どもの遊び場を作りたいです。倉庫を改装して、ボルダリングやクライミングができるようにしたいです。その横に、楽しんでいる子どもたちを見守れるカフェも作りたいです。このあたりの子どもたちは、夏は川で泳ぎますが、冬は家でゲームをしているそうなんです。引きこもらずに遊べる場所があると、冬でも外に繰り出す子もいると思うし、若い人たちも町から出て行かないと思うんです。

ファーガスさん) 子どもの遊び場は僕も作りたいですね。あと、この大里親水公園でテントサウナもやりたいです。公園の奥にも綺麗な場所があるので、そこでクールダウンできたら最高だと思います。

ー最後に、移住を考えている方にメッセージをお願いします!

ファーガスさん) 日本の田舎を感じたかったら、紀宝町においでよと伝えたいですね。熊野川もあるし、自然が好きな人には合うと思います。

七菜さん)  ファミリーも、単身の人も住みやすい町だと思います。子ども向けの体験イベントも豊富ですし、単身の人も、周りの人が優しくてすぐ仲良くなれるので寂しくないと思いますよ。

おふたりが働く「キャニオンズ」ホームページ

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