北出 早人さん
愛知県名古屋市 → 紀宝町
2022年移住
今回は、紀宝町の地域おこし協力隊として柑橘類の栽培をされている北出さんにお話を伺いました。
ー以前はどんなお仕事をされていましたか?
広告カメラマンをしていました。東海圏を中心にチラシやホームページ向けの写真を撮っていました。
ー紀宝町に来られた経緯を教えてください。
夫婦それぞれの実家がある三重県と和歌山県のあいだで、伝統工芸士のような職人か、個人事業主のような働き方ができる場所を探していて、もとから興味のあった農業の道に進むことにしました。最初は他市町の窓口に行って相談していましたが、紀宝町の地域おこし協力隊の求人を見つけ、採用され現在活動中です。
ーどうして職人になりたかったんですか?
何かを作ることが好きだからですね。今やっている柑橘の栽培を選んだのも、このあたりでものづくりといえば農業だと思ったからです。
ー紀宝町に住むにあたり、何か支援制度は使いましたか?
浄化槽を整備する際の補助と、県外からの移住者に生活費の一部を助成する制度を申請しました。
ー住まいはどうやって探しましたか?
はじめは空き家バンクの物件から探したのですが、当時は希望に沿った物件がなく、役場の移住担当の方にも探してもらい今の家を見つけました。
ー紀宝町に住んでから、いいなと思うことや困ったことはありますか?
景色の良い場所が多いと思います。自宅からの景色もですし、成川地区の熊野川を望む景色、熊野大橋を渡っているときに見える景色もいいなと思います。困ったことは、自宅の湿度がすごく高く、本、妻の鞄と靴、家具、押し入れの中までカビが生えました…。対策としては、除湿機は必ずつけて、掃除にはアルコールを使うようにしています。
ー熊野大橋からの景色は私も好きです。話は変わって、カメラマンから農業の道へ進まれて、仕事以外の時間の過ごし方は変わりましたか?
名古屋に住んでいた頃は、趣味でよく写真を撮りに行っていましたが、こっちに来てからはそんな時間がなくなりました。今の仕事はやらなければいけないことが多いので、休めるときには休んでいます。遊びに行く時間も減りましたね。
ー移住をしてよかったと思うことはありますか?
「自分の人生を生きている」と実感することでしょうか。今は「自分で働いている」と感じます。自分から動かないとお金を稼げないので、その点で「生きているな」と思います。
ー紀宝町のいいところ、好きなところを教えてください!
紀宝町民のみなさんは良い方が多いと思います。あとは協力隊だからかもしれませんが、役場を身近に感じます。好きなところはやはり景色がいい場所が多いところでしょうか。
ー仕事内容を教えてください。
紀宝町の農業経営者クラブがやっている農業の研修を受けながら、農地の管理をしています。農地の持ち主は別にいて、自分はその農地を借りて柑橘の苗木を育てています。現在は「みえ紀南1号」という品種をはじめ数種類の柑橘を栽培しています。他にも作りたい柑橘はあるんですが、気候や畑の環境に合うものを選んでいます。
ー1日の流れを簡単に教えてください。
月によって変わります。ざっくりと季節で分けると、夏は早朝から昼ごろまでと、夕方から日暮まで、畑で芽かきや摘芯などの作業をしています。冬は、3月から4月に苗木を定植するので、機械を使って畑を耕しています。
ー柑橘類って、いつ収穫されるんですか…?
早いものだと、9月の1週目を過ぎたあたりから収穫が始まります。柑橘類は、9月から翌年の5月あたりまで旬のものがありますね。自分の管理する畑はまだ苗木が中心で収穫するものはほとんどないんですが、「みえ紀南1号」は9月初めから収穫が始まります。9月から12月にかけて何品種かの温州みかんを収穫して、その後は中晩柑と呼ばれる皮が厚いものを収穫する予定です。
ー今後、実現させたいことを教えてください。
自分の管理する畑はまだ苗木ばかりなので、やはりみかんを出荷することですね。あとは仕事でも遊びでも良いので、写真は撮り続けたいなと思います。
ー最後に、移住を考えている方へメッセージをお願いします!
紀宝町だけでなく、この地域には移住して新規就農される方が多いので、挑戦はしやすいですが、最初はしんどいと思っておくと良いと思います。自分の場合は経営者クラブなどのコミュニティがすでにあり、すぐに知り合いも増えて色々教えてもらいありがたいですが、自分から積極的に動くことが大切だと思います。