国内外で暮らしたご夫婦が惹かれた、この町の魅力

今回は、町内でもみほぐしのお店を経営されている大山さんご家族にお話を伺いました。

ー紀宝町に来られる前はどんな暮らしをされていましたか?

清志さん) 2人ともワーキング・ホリデーで海外にいました。オーストラリアの離島で出会って結婚し、妻の地元の那覇で長女が生まれ、1年ほど暮らしました。那覇ではマッサージ店に勤めていました。

ゆかさん) 私はカナダとオーストラリアでそれぞれ1年ずつ、夫は東南アジアや台湾で働き、フィジーの語学学校にも通っていました。国内でも季節労働でさまざまな場所で暮らしました。このような経験から、便利さを求めていないと言いますか、なんとかなるな、どこでも暮らしていけるなと思っていました。

ーこの町を知ったきっかけを教えてください。

ゆかさん) 移住先を探していたときに、大阪で行われる友人の結婚式に参列することになりました。宿泊先を探しつつ近隣の地域について調べていると、紀宝町のお試し住宅が検索に引っかかったんです。大阪から三重なら近いだろうと思って予約したら、ものすごく遠かった(笑)。でも、実際に行くと自然が豊かで良いところだなという印象を持ちました。移住先は主にネットで探していましたが、子育て支援やお試し住宅などのワードで検索していましたね。

ー初めての紀宝町はいかがでしたか?

清志さん) お試し住宅から見える、山々の拓けている風景が印象的でした。一番驚いたのは、近くを散歩していた時に見つけた川の透明度です。あんなに透明度が高い川は見たことがありませんでした。正直、お試し住宅を利用した当時は紀宝町に移住する気はなかったんですが、この川の透明度で意欲が高まりました。

ー他に移住の決め手になったポイントはありますか?

ゆかさん) お試し住宅を利用した翌月に、空き家バンクで気になる物件を見つけました。その物件に決めようとしていたところ、別の物件を内覧させてもらえることになったんです。見にいくと良い物件で、そのまま購入したのが今の家です。タイミングが良かったのだと思います。

ー驚いたことなどはありますか?

ゆかさん) 子どもの靴を外に干していると、動物が持っていってしまうんです。こんな物語みたいなことがあるんだと驚きました。畑の野菜も、美味しい部分を食べられてしまいます。

清志さん) ここは南の方の地域ですが、冬は意外と寒いです。あとは紀伊半島大水害で被害が大きかったとは知らず、砂防ダムを見たときは、最初は何か分かりませんでした。役場の方に津波対策について伺ったり、ハザードマップを見る中で、防災対策がしっかりととられている町だなと思いました。

ゆかさん) 今住んでいる地区は、水害時の被害が大きかった地区だそうで、この家も過去に浸水したそうなんです。それなのに人々が住み続けていることに驚きました。浸水が当たり前と言わんばかりに、昔から家財道具は浸からないように上に上げていたと聞きました。

ー水害の話を聞いたとき、ここへの移住をやめようとはならなかったのでしょうか?

ゆかさん) 浸水被害に遭っているのにそれでも人々が住んでいるんだから、なんとかなるのだろうと思いました。その時はその時か!と考えています。

ー紀宝町の支援制度は何か使われましたか?

ゆかさん) 出産祝い金事業と、チャイルドシート購入費補助事業を使いました。出産祝い金事業は、沖縄の姉が驚いていました。

清志さん) 移住先は、制度の多さでも探していました。全国的に見ても紀宝町は支援制度の数が多いと思います。

ー移住後に新しく始めたことはありますか?

清志さん) 畑仕事です。野菜の収穫や、運ぶ仕事は経験ありますが、種や苗から育てることは初めてです。この家も、畑がついていたのが気に入って購入しました。柿や桃などの果樹もあり、やり方を調べながら剪定をしています。狩猟免許も取り、これから本格的に活動する予定です。

ー紀宝町のいいところ、好きなところを教えてください。

ゆかさん) 自然豊かな田舎でありながら便利な暮らしができるところです。いいとこ取りをしているイメージです。子ども向けのイベントもあり、子どもに対しても手厚いですね。

清志さん) 隣の新宮市の存在は大きいと感じます。過去にも田舎で暮らしていましたが、スーパーまで30〜40分ほどかかっていたのが、今では10〜15分なので便利です。あとは田舎らしくないと言いますか、住民の方々とほどよい距離感で過ごせているので、その点もいいなと思います。

ー不満な点はありますか?

清志さん) ゆかさん) 免許の更新などは、津市まで行かなければならないので不便だと感じます(※)。進学先などの選択肢が少ないとも感じます。でも、ここは僻地と言われますが、宅配便は追加料金なしでちゃんと届きますし、僻地ではないと感じますね。沖縄の離島に住んでいた時は、送料は高かったし、届くのに2週間かかったこともありましたから。(※運転免許は町内の警察署でも更新可。)

ー話は変わって、普段の仕事内容を教えてください。

清志さん) もみほぐしのお店を経営しています。店舗車もあるので、出張でも対応しています。出張の場合は、隣の御浜町から新宮市あたりまで対応可能かと思います。

ー仕事以外の時間は何をしていますか?

清志さん) 料理が好きなので、ワラビやゴンパチ(=イタドリ)やフキなどを採って調理しています。近くの川の小さなエビを獲って食べたこともあります。ウナギもいるそうなので、今度獲ってみる予定です。夏が近づくと、家からホタル鑑賞をしています。家の中に入ってくることもあるんですよ。家の小さな修繕などもやりたいですが、今はあまり気が進まないですね(笑)。

ー今後、やりたいことなどはありますか?

清志さん) いつか民泊を経営できたらと思っています。これまでさまざまなゲストハウスを利用して、楽しそうだなと思ったんです。町内の空き家を民泊の宿にして、利用者と住民の交流の場にもできたらと考えています。

ゆかさん) 平穏に暮らせていけたらなと思います。今のところはずっと紀宝町で暮らす予定です。

ー最後に、移住を考えている方へメッセージをお願いします!

ゆかさん) 気になる場所へは、まず旅行として訪れてみたらいいのではないでしょうか。その際はお試し住宅などを使って、実際に現地を体験してもらえたらと思います。

清志さん) 思い切って移住してしまえばいいと思います。移住を考えるということは今いる場所が物足りないとか、何かを変えたいからだと思うんです。移住してみて失敗したと思ったら、戻ればいいんですよ。

 

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